私は大規模プロジェクトで設計やったりプロジェクトマネジメントの経験が豊富。
私はその分野を極めたかった。だからプロジェクト管理やリーダーシップの本を読んだ。
そういう本にはいくつかの共通点がありながら相反する事を述べていることもある。
今回はプロジェクトマネージャのリーダーシップについて私なりの見解をしるしておく。
ココがポイント
- リーダーシップスタイルのパターンについて
- プロジェクトを知り己を知りリーダーシップスタイルを選択する
システムエンジニア歴22年。システムインテグレータでプロジェクトマネージャをやってきた経験を元に語ります。
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目次【本記事の内容】
- 1.リーダーシップスタイルのパターンについて
- 1-1.任せて人材育成
- 1-2.導いてみんなを気持ちよく
- 1-3.しっかり管理でプロジェクト完遂
- 2.プロジェクトを知り己を知りリーダーシップスタイルを選択する
- 2-1.プロジェクトはどんな状況なのか
- 2-2.自分はどんな人間なのか
- 2-3.リーダーシップを演じる
- 3.まとめ
リーダーシップスタイルのパターンについて
任せて人材育成
管理職やマネジメントする立場になると、人材育成がミッションになる。私の場合は自社の社員だけではない。協力会社の人たちについても育成しなければならない。メンバーみんなが成長して生産性向上を実現する。
今はそんな事を思っている私だが、リーダー業務をする最初の頃はそんな事を考えられなかった。
・なんでこんな簡単なことができないの?
・なんでこんな簡単なことをまちがうの?
メンバーを攻めてしまうような口調になってしまう自分がいた。
ある日、上司から言われた。
君は仕事ができるからリーダーになった。リーダーになったら今までみたいに仕事をバリバリすることを期待していないの。君の持っている知識をメンバーに教えてやらせて人を育ててほしいの。今のままじゃ駄目だから。
そう言われた。
メンバーから上司を評価する制度があった。最初の年は散々な評価だった。
- 唯我独尊
- メンバーの意見を聞かない
- 周りに対して厳しすぎる
- 自分が常に正しいと思っている
そんな評価が並んでいた。そりゃそうだろう。メンバーの仕事のやり方について私はいちいち口を出す。今思えば箸の上げ下ろしも私は指示をしていた。
それからマネジメント本、リーダー本を読むようになった。
ふむふむ、仕事を任せることが肝要と書いてある。私はアドバイスをする程度でやり方は任せるようにしてみた。
うむ。メンバーのワタシに対する態度が変わってきたようにおもう。今までは怖がられていたか。そんな手応えを感じているある日、上司から言われた。
君のところ、仕事おそすぎ!スケジュール守ってくれないと!
しかしですね、人材育成というのは時間がかかります。私はみんなが自分で気づくのを待っているのです。
そんな言い訳めいた事を言っていたが無駄。無駄。無駄。
ディオの如く最強の上司には虚しい反論。スケジュール守ることが前提だからね。
そう言われて、私はまた考えた。
導いてみんなを気持ちよく
ITプロジェクトではプロジェクトの責任者をプロジェクトマネージャと呼ぶ。
プロジェクトリーダーということも有るけど、プロジェクトマネージャが多数派だ。
リードするほうがマネージするよりはかっこよさそうだ。
実際に調べてみるとリーダーシップとは
ビジョンを示してメンバーの気持ちを煽りに煽ってゴールを達成する
ような人らしい。これだ!私の目指しているものに近い気がした。
周りにお手本になるような先輩はいなかった。
でも私には心当たりがあった。昔そんなリーダーをテレビで見た気がする。
山下真司 ~スクールウォーズ~
これこそが 自分が求めているリーダー像かもしれない。
全国大会を目指す伏見工業の如く、みんなに
「全国にいこうや」
とちょっとベクトルがずれたビジョンを掲げて私はみんなを励ました。
我ながらいい感じにチームの一体感が出てるなと思っていたある日、上司から言われた。
君のチームなんか最近変なのりになっていない?気合だ気合だ気合だとか叫んだり。今度するプロジェクトは500名ぐらい参加する規模のプロジェクトになるよ。
もうちょっとクレバーなマネジメント力をつけないと気合だけじゃ無理だからね。
ふっw 私のリーダーシップが羨ましいか。ちょっと気になったのは山下真司を目標としながらまだ、一回も泣いていないということだった。
しっかり管理でプロジェクト完遂
上司が言っていた500名が参画するプロジェクトというのが始まった。私は80名のチームリーダーをすることになった。前から一緒にやっていた人もいるが、新しく一緒に仕事をする人もいる。
「じゃあ、今回も全国目指していきましょう」
私はみんなを鼓舞したものの、新しくきた人はポカーンである。まあそのうち私のビジョンに共感してくれるだろうと思っていた。
みんなで全国に行くと思っていた。でもプロジェクト始まって2ヶ月ぐらいした時、地区予選すら危うい状況になるのである。どうも新しく参画した協力会社の人たちの進捗が良くない。再三私はビジョンを掲げているのだが?協力会社のリーダーの人から申し出があった。
「三連休はみんなで休日出勤してキャッチアップしますから」
今の進捗率からして大してキャッチアップできるとも思えなかった。でもやらないよりマシだろう。それで了解したのだが、あますぎる自分の見通しに泣きたくなるのである。
三連休明けに出社して、さて、どれだけキャッチアップできるているのかと思って進捗管理表を開いた。
はい?!
なぜか三連休前より出来高が減っている。さては進捗管理表をデグレさせたなと私は考えた。協力会社のリーダーの人のところに行く。
進捗管理表を見ると先週末より更に遅れが広がっているんですけど、入力間違いしてませんかねw?
って聞いたら、
「はい、間違って終わっていないものを終わったと登録していることに気づきまして終了日をクリアしました。今のが正しいです」
私の山下真司魂が湧き上がった。いよいよこのセリフを言わなければならないのか。私は腹をくくった。
「くやしくないのか!」
ついに使ってしまったこの名台詞。だが私はあいにく涙腺が硬いので涙が出ない。沈黙する協力会社のリーダー。年代的にスクールウォーズは知っているはずだ。
「くやしいです!」
とその人の口から出ることはなかった。
異常を察知した上司がやってきてたので、私が状況を上司に説明する。
「そもそも作業が進まずに困っているのに、その原因分析もしないで三連休出社したって進捗が進むわけないよね?」
はい。そのとおり。
それからは品質分析のやり方とか、真の課題を見つけるための論理思考プロセスとかを勉強した。プロジェクトの後半には再発防止を策定する際やリリース前の最後の判定を担当して自分としても成果を感じることができた。
プロジェクトを知り己を知りリーダーシップスタイルを選択する
プロジェクトはどんな状況なのか
プロジェクトの状況によってはたまに強権を発動しなければならないときがある。プロジェクトがトラブルと凄腕のプロマネがやってきて必ず強権を振るう。
それはもうお前らではどうにもならんからと言われるようで私は悔しい。しかし、自分だったらこんな決断はできなかった。ここまで思い切ったことをしてくれるのかと思うときが私はある。結果的にプロジェクトは救わる。メンバーは救われる。私が最初に撮ったリーダーシップスタイルも一時は周りから批判されるかもしれないが必要なときが有る。
私は新人研修の講師をしたことがある。そんな時はとことん任せる。わからないところがあって相談されてもどうしてだろうね?どうやったら良いと思う?ってとことん考えさせる。そんな研修スタイルは周りの人からは意外と好評。
「私だったら、あそこで絶対教えちゃうと思うんですけど答えを言わないところが面白いと思いました」
って感想をいただきました。
新しいプロジェクト。新しいメンバー。新しい技術。そんな時には緻密な計画と冷静な分析力が必要。リスク回避の為に色々な手段を講じる。
- プロトタイプの作成
- その分野に精通した人の確保
- 教育計画
- 予備費の確保
十分な段取りと途中経過を細やかに観察し、問題が起きそうだったら素早くフォローする必要がある。任せては手遅れになる。
今のプロジェクトはどういう状況なのか、自分はどう振る舞うべきなのかしっかりと観察しなければならない
自分はどんな人間なのか
プロジェクトマネージャやリーダー職、管理職をやってきた私。
転職するときにも当然そういった方向性で次の仕事を探していた。転職する時に今までのキャリアの棚卸しをする。メンターに自分はどんな人間だと思うか聞いてみる。Strength Finderなどの自己分析テストを受けてみる。そして複数の情報筋から私が得た結果。
あなたはリーダーや管理職のような集団での仕事は向いていません orz
まじかー。
今更そんな事言われても。
まず、時々相談に乗ってもらっている健康指導医の先生から
先生「どんなスポーツがすき?」
私 「水泳をやっていました。登山(ソロキャン)。ゴルフ。釣り。そんなところでしょうか」
先生「全部個人技だね。集団生活に向かない人の典型的なパターンだね。一人で黙々とするような仕事。陶芸家とかはどうかな?」
今更無理でしょ!40過ぎてますから。
まあ、自分の性格や強みや弱み、得意分野、不得意分野を知っておくというのは良いことだ。
敵を知り己を知れば百戦危うからず(孫さん)
状況に合わせてリーダーシップを演じる
プロジェクトの状況や相手を判断してリーダーシップの個性を切り替えることができれば最強のリーダーになれるのではないか。
そんな事を最近考えている。もっともっと私は経験を積まないといけない。でも年は40代半ば。あと百戦いけるか。
年10プロジェクト。あと20年働ければクリアできそうだな。残りのプロジェクトを全部成功に導くこと。私の密かな目標。やってやれないことはない。やらなければできない。
まとめ
プロジェクトは一回こっきりの仕事。毎回状況は違うし人も環境も目標も何から何までちがう。だからこそ楽しい。毎日が挑戦だから。新3K職業って言われてたけど最近はシステムエンジニアになりたいって若者が増えている。
実際に最近の若い人は優秀な人が多いなと思う。だからこそ自分も負けないように一生懸命勉強する。日本の社会人の平均勉強時間6分。その20倍の時間は勉強していると胸を張っていってやろう。
というか大丈夫か日本。一人でも多くのシステムエンジニアに役に立つ事をかけたらと思ってこれからも励みます。