早いものでシステムエンジニアとして働いて22年。
文系学部出のわたしがエンジニアになるとは思ってもいなかった。父が電気設計技術者だったから自分も理系が向いていると思ってた。そんなふわっとした気持ちで高校では理系クラスを選択。しかし向いていなかった。女子が多くて楽しそうな文系クラス。まあ、男子が多くても結構たのしかった。でも成績は下の方。なんとか高3の受験直前まで理系クラスで頑張ったが担任の先生から
おまえ、文系のほうがあっているんじゃね?
おい! もっと早く言ってくれと。まあ、たしかに文系科目のほうが点数が良かった。そりゃ知ってた。でも父が男は理系で技術職になればどこでも何歳でも食っていけると言っていた。そんな父は酒の飲みすぎで58歳でリタイアしやがったw。
自分には文系があっているというのは100%同意だったので、大学は文系学部へ進学。理系学部の大変そうな様子を目にして自分の選択は間違っていないと私は思った。授業が少なくて1年の半分ぐらいは休みだしな。
ココがポイント
理系科目が苦手で文系学部に進学した私が22年間システムエンジニアをできている理由
Photo by Markus Spiske on Unsplash
そんな私がなんでシステムエンジニアになってしまったのか?文系学部出身でシステムエンジニア歴22年の私が仕事人生を振り返って、これからIT業界を目指す人の参考になればと思う。
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目次【本記事の内容】
- 1.パソコンはとりあえず仕えた学生時代
- 1-1.パソコンを買った大学生のとき
- 1-2.就職氷河期の就職活動
- 1-3.理系の仕事は苦手だと忘れてた
- 2.プログラマーとして生き残る方策が見えた事
- 2-1.最新技術に挑戦すれば先輩も後輩もない
- 2-2.HTML、JAVAに挑戦
- 2-3..Net Frameworkに挑戦
- 3.まとめ
始まりはいつも雨
パソコンを買った大学生のとき
私が大学生になった時、先生が
これからは文系でもパソコン仕えないと仕事にならんぞ。一太郎(ワープロソフト)と1-2-3(表計算ソフト)は必須だぞ
と言ったことに影響されてパソコンをかった。親のスネにかじりついた。
Macは高すぎたのでWindows3.1と一太郎、1-2-3を買ってもらった。
でも自分が使っていたのはもっぱらパソコン通信ニフティーサーブ。論文書くときに一太郎を使っていたけど、今思えばテキストエディタで良かったよなぐらいのレベルしか使えていなかった。
1-2-3はさらっと使ってみたが、学生時代にはなんでこれが仕事にどれだけ必要なソフトか理解できなかった。プログラムなんかはもちろん書いたことは無い。(母ちゃん、ごめん)
苦戦する就職活動
学生時代遊びふけっていた私は自己PRするネタが無い。サークルは入ってない。研究室でもそれほど頑張ったわけではない。遊びを頑張っていた。
趣味でバス釣りをしていたので、「学生時代に取り組んだことは、バスフィッシングです」という話をしていた。
当然内定が出るわけが無い。今の自分が面接官だったら履歴書段階で落とすレベルである。
百貨店業界、金融業界、アパレルどこの業界も駄目だったのだが、SI業界だけは面接に進めて内定がいくつかもらえた。
大学3年生の頃から初めていたバスフィッシングのホームページと学生貧乏旅行のホームページをやっていた。
履歴書にはURLを載せていたのでSI業界の人事の人は見てくれていたのかもしれない。
はっきり言ってSI業界は希望した就職先ではなかったが、SI業界の内定しかもらえなかったの仕方ない。
内定をもらったのは5社。全部SI業界。
就職氷河期の割には内定社数は多かった。その中で一番大手のCSKに入ることにした。
理系の仕事は苦手だと忘れてた
大学生活を満喫したせいですっかり忘れていた。自分は理系的な思考が苦手な事。それで文系学部に進んだ事。
入社してから思い出した。パソコンは使っていたし、余裕っしょっと思っていた自分が甘かった。
プログラム研修は全然わからない。
アルゴリズム研修ではいつも居残り。
同期の中では研修時の成績は下位の方だった。
配属になったのは泥臭い仕事をするプロジェクト。Netscape(ブラウザ)の接続設定やOFFICEソフトのインストール。プリンタのインク交換やジャムった時の解消をしていた。
同期はSAPの導入案件やUnixをつかったシステム構築、Oracleの専門部署。
同期のみんなが眩しく見えた。
それに比べて自分はインストールとかプリンターの紙詰まりなおしたりとか。
今思えばアリさんマークの引越社で仕事はぶられている人とそんなに違いは無いように思える。
このままじゃあ同期と差をつけられてしまう。
寮に住んでいたから同期の華々しい活躍を聞く。
それに比べて自分は新入社員ですでに窓際。私は焦っていた。
Photo by Riccardo Pelati on Unsplash
プログラマーになりたいのなら自分が変わるしかない
勤務先にあったプログラムニーズ
私は客先に常駐してパソコンの設定やプリンタの設定作業をしていた。お客様が使っているソフトはメールソフトでLotus Notes、Office95(Excel、Access、Word)。
調べてみると、これらのソフトでプログラミングすることが可能だと分かった。って今から思えばそんなことも知らなかったのか。そりゃは干されるわというレベルである。
Notesで新しいDBつくってお客様に提案したり、Excelのマクロ記録をしながらExcel VBA覚えたり、Oracleは環境がなかったからAccessでRDBを勉強した。
ここで役立ったのが大学の時に使っていたLotus 1-2-3だった。社会人になってから一太郎や1-2-3なんてどこも使ってねえじゃねえか。先生に騙されたと思っていた。
でもNotesは当時、どこの顧客でも使っていて1-2-3の数式の知識が役にたった。一太郎は・・・・。
NotesとAccessとExcelがわかるようになるとメインフレームのデータをNotesにあげて共有。そのデータにユーザーが情報を追記。そのデータをAccessにインポートしてExcelでレポートを作ることもそのうちできるようになった。
また、サーバーをノベルのNetwareからWindowsNTサーバーにリプレースする案件を進めていた。だからマイクロソフトの資格を片っ端からとっていった。職場にはNetwareの事は詳しくても新しいWindowsNTサーバーに一番詳しいのは私だった。
そうやっていったら2年ぐらい続いた最低評価を抜け出す事ができてやっと人並みに評価してもらえる様になった。
HTML、JAVAに挑戦
そのうち、IT業界でJAVAが注目を集めるようになる。私も今後はJAVAができないと駄目だと思い、寮に環境を作り、自分でプログラムをつくって、いつJAVAの仕事に回されても良いように勉強した。
しかしいつまでたってもJAVAを使う案件の受注はなかった。
SI業界でも金融業界を担当していたのでJAVA案件が始まるにはもう少し待たなければならなかった。2000年初頭ではまだJAVAでシステム構築をする金融機関は少なかったのだろう。
代わりにVisual Basicでシステム構築をする案件に回される事になった。マイクロソフトが新たに開発した.Net Framework案件か!と思ったら古いVisual Basicである。
海の物とも山の物ともつかぬ.Net Frameworkをつかうより、安定しているVisual Basicのほうがユーザーとしては良い。システムインテグレーターとしても新しい技術はリスクが高いし人集まらないし。
しかしシステムエンジニアとしては新しい技術に挑戦したい気持ちがいつもある。新しい技術だったらみんな同じスタートラインだ。早く勉強して身につけたやつが開発をリードすることができる。
やっぱり寮に帰っては自分で.Net Frameworkを勉強する事を続けていた。英語サイトをみてサンプル作ってBlog書いて、いつか来るその日に備えていた。
努力が報われた時
Photo by Linh Nguyen on Unsplash
ある時、上司から見積もりをしてほしいという案件があった。Lotus NotesにためているデータをOracleにためてデータ分析をするアプリケーションを作る案件だった。
データ分析するクライアントアプリケーションはVisual Basicで作るという。もちろん古い方。
もう2003年頃だったから日本でも.Net Frameworkをつかった事例が紹介されているような時期だったと思う。
また、古い技術を使うのか?
でも私はもう新入社員でもない。そろそろ入社して5,6年目だ。
全国に支店がある顧客だったからアプリケーションを自動配信できる.Net Frameworkのプロトタイプをすぐ作り、新しい基盤で作ったほうがアプリケーションのメンテナンスが簡単になることを力説。
お客様も乗り気になった。そうすると上司もそれを飲まざるを得ない。
私が考えたアーキテクチャがプロジェクトに採用された初めての案件であった。でもこれが最初で最後の案件になるのだがw
まとめ
文系の人でIT業界に就職しようかどうか悩んでいる人は思い切って挑戦してほしいともう。
私以外にも何人も文系出身で頑張っているシステムエンジニアを知っている。
そりゃ最初は辛いよ。理系で情報工学でプログラムを勉強してきた人と比べたらあまりの差に圧倒されるよ。
入社してくる時には高度情報処理の資格持っているツワモノも居るし。でもそれは理系の人たちが一生懸命4年間勉強して身につけたものなの。
だから文系各部出身だって、同じように一生懸命やれば報われる日は絶対来る。
IT業界は技術の進歩が激しいから常にチャンスがあるの。
(44歳、文系で理系科目が苦手で偶然にIT業界に就職してしまった者より)